自動取引によるブラックボックス化
超高速取引に代表される深層学習などの人工知能技術を利用した自動取引に関する研究開発が多くあります。しかし、自動取引では突発事象に対応できず、市場に悪い影響を及ぼす危険性が高くなってしまいます。特に自動取引システムの多くは投資行動の理由やエビデンスを示さず、プロセスと結果の可読性が低く、ブラックボックス化されているため、不安の声も多くなっています。そこで本研究では,投資をドメインに,投資のエビデンスや理由の明示による可読性の 向上が投資の意思決定に及ぼす影響を解明するための基盤を構築することを目的としています。
研究内容
投資商品の比較
本研究では事象がマーケットに及ぼす影響を明らかにする投資商品の要因分析基盤を構築することをテーマの一つにしています。動的空間モデルを用いて要因を定量的および大局的に分析します。また、投資履歴,市場情報,投資報告書,ニュース報道など様々な投資データを横断して効率よく分析する手法を研究しております。
投資者の特徴分析
リスク管理やポートフォリオ理論など金融工学の知見を活かして,投資者間の比較および投資履 歴の時系列分析を行い,投資者の得意する分野や投資行動の一貫性などの特徴を抽出します。それによってエ キスパート投資者の投資行動の特徴(いつ・何を どのように取引するか)を明らかにする投資者の 特徴分析基盤を構築します。
投資支援システム
投資商品の比較、投資者の特徴分析をそれぞれ行いそのデータを用いて投資せ園システムを構築します。支援システムでは投資のエビデンスや理由を明示し、可読性の向上がどのように意思決定に影響を及ぼすかを解明する基盤となります。それによって、本来の投資者である一般利用者の不安を和らげ、投資の活発化に繋げることを目的としています。
研究の全体図
論文