観光客の増加
戦略的なビザ緩和、免税制度の拡充などの安部内閣の大胆な改革の成果により、観光客の数およびその経済は日に日に拡大しつつあります。観光庁では現在から 10年、 20年規模で目標が設定されており、観光客数や旅行消費額、外国人リピーター数の増加をそれぞれ数倍伸ばすことを掲げており、それを如何にして実現するかが問われています。
観光場所の偏り
観光庁によると訪日外国人観光客の宿泊先は東京や大阪、京都などの都市に集中しています。観光の場所や時期が都市部に集中されることで、地方への恩恵が限定的なものとなります。また、観光都市が限定されると観光の幅が狭まってしまうため観光客のリピーター率も低くなることが懸念されます。
広告の限界
地方の観光地ではそもそもその知名度をあげることがとても難しい状況になっています。東京や京都に比べ、鎌倉や奈良などは日本では有名な観光地にも関わらず、外国人観光客のほとんどは知りません。また、費用対効果の面でも訪日中の外国人に地方の PRすることは難しく、広告による知名度向上は難航を極めています。
観光 2.0
観光における様々な問題に対処するため、サービス提供側中心の観光 1.0 から利用者 ( ユーザ ) 主導の観光 2.0 へと進化していく必要がある。観光 2.0 ではユーザが自ら情報発信を行なって生成される UGC(User Generated Contents: ユーザ生成コンテンツ ) を情報資源として、低コスト・大規模かつタイムリーに地域やユーザの意見を収集・分析する。ユーザの観光体験に基づいて生成された UGC は、旅行プランニング、観光資源の再発見とプロモーションの重要な情報源となっている。また、これを背景にユーザ視点からの ” 観光知 ” の分析と活用、いわば観光知マイニングの研究が盛んに行われてきている。
広がる観光公害
観光客が増加する一方で観光客に対する不満も増加しています。ここ最近拡大している民泊では気軽に観光客を訪問させることができますが、観光客のマナーが同時に問われています。また、観光場所や時期が集中することで道路の渋滞や騒音など観光場所を支える地元住民への被害も大きくなることも問題となっています。
論文